食と暮らしの歳時記
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。
二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。
夏至(6月21日〜7月5日頃)
夏至とは、1年でもっとも日が長く、夜が短いころのこと
これから夏の盛りへと、暑さが日に日に増していきます
天然の明かりをともす夜
夏至と冬至の夜に、ろうそくの灯をともす
電気を消して、天然の火を灯しながら、夏至の夜を過ごしてみるのもいいものです
揺らいでは静かに燃え続ける炎を眺めていると、いつもより時間がゆっくり流れていくようです
初候
乃東枯る(なつかれくさかれる)
うつばぐさの花穂が黒ずんで枯れたように見えるころ
その花穂は生薬として、昔から洋の東西を問わず役立っていたとか…
新暦では、およそ6月21日〜25日ころ
【候のことば】
身近な薬草
うつばぐさにちなんで、薬草のこと。
まだ少し先ですが、夏にひりひり日焼けした首の後ろや腕などにアロエの葉をさいてひんやり冷たい葉肉をあてると延焼を鎮めてくれます。また、この時期はどくだみも頼れる薬草。使い方、効能も様々です。是非、調べてみてください。
【旬の魚介】
鮎
塩焼きが夏の訪れを知らせる鮎
6月に鮎釣りが解禁され、まさに夏が旬。
川によって味が違うといわれ、きゅうりに似た独特の香りすることから、香魚ともいわれる。骨ごと食べられるので、カルシウムやリンなどの栄養も豊富。
【旬の果物】
夏みかん
代謝をよくして疲れをやわらげるクエン酸も、美肌やかぜ予防、老化を抑えるビタミンCもたっぷりと詰まっている夏みかん
香りがよいので、レモンの代わりにサラダにかけてもよいですね。
次候
菖蒲華さく(あやめはなさく)
菖蒲が花を咲かせるころ
この花が咲いたら、梅雨到来の目安でした
新暦では、およそ6月26日〜30日ごろ
【候のことば】
晴耕雨読
梅雨のさなかのこの時期は、気分も晴れません
雨の楽しみ方をいろいろと考えてみるのもよいものです
【旬の魚介】
かんぱち
脂がのっているかんぱちは刺身が一番
くせがなく、さっぱりしています
【旬の兆し】
青時雨(あおしぐれ)
初夏、あおあおとした木々の葉に降りたまった雨が、ぱたぱたと落ちてくることをいいます
ひんやりとした雨粒がさわやかなおどろきをくれるひととき
青嵐とは、新緑の上を吹くいきおいのある風のこと
【旬の行事】
夏越しの祓(なごしのはらえ)
6月と12月には、罪や穢れを落とす祓えの行事があり、6月の大祓を夏越しの祓、12月を年越しの祓と呼んでいます
夏越しの祓では、多くの神社に茅草でつくった輪が立てられ、茅の輪くぐりを行います
末候
半夏生ず(はんげしょうず)
半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころ
田植えを終わらせる「農事」の節目
新暦では、およそ7月1日~5日ころ
【候のことば】
祇園祭
京都の夏の風物詩、祇園早坂神社の祭礼
7月1日から1カ月も行われる長い祭り
平安京で疾病が流行った貞観11年(869年)に、無病息災を祈る儀式が行われたのが起源といわれている
最大の見せ場は、17日の山鉾巡行
鉾や長刀を立てた山鉾が四条烏丸から京の町をめぐる一大イベント!
【旬の魚介】
はも
関東では料理屋の魚の印象だが、関西では日々の食卓にあがるはも
梅雨入りから7月頃が脂ののる旬
祇園祭の間、旬が続くことから祭りはもと呼ばれることも
【旬の野菜】
おくら
夏のネバネバ野菜は元気のもと
おくらに含まれるネバネバ成分は、免疫力を高めたり、ストレスで弱ったおなかの調子を整えたりしてくれる
【旬の兆し】
半夏雨(はんげあめ)
夏至から数えて11日目がが半夏生
田植えを済ませた農家が休息をとる日
この半夏生に降る雨を「半夏雨」というが、この日の天気によって1年の豊作を占う習慣があったとか
田植えを終えた田んぼから天へ、田の神様が昇っていくのが半夏雨になったとも…
かぁやん商店
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