食と暮らしの歳時記
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。
二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。
大暑(7月22日〜8月6日頃)
大暑とは、最も暑い真夏のころのこと
土用のうなぎ、風鈴、花火と、風物詩の目白押し。
浴衣と蚊帳
浴衣のさっぱりとした着心地は、何よりの夏の涼ではないでしょうか
素足に下駄で出かけるのも気持ちの良いものですね
そんな浴衣を湯上りに着るようになったのは、安土桃山のころとか
江戸時代に入り、普段着として広まっていった
夏の夜には、蚊を通さずに風を通す蚊帳を吊って眠ったもの
殺虫剤や網戸、クーラーの普及で蚊帳も使われなくなったけど、電気も薬品も使わないので最近見直されてきている
初候
桐始めて花を結ぶ(きりはじめてはなをむすぶ)
桐が梢高く実を結び始めるころ
和のくらしの中で桐は家具として役立ってきました
新暦では、およそ7月22日〜26日ころ
【候の野菜】
きゅうり
ほとんどが水分でできているきゅうり
体を冷やし、水分補給にもなるすぐれもの
糠漬けにすると米ぬかと乳酸菌が働いてビタミンが増す
皮に含まれるククルビタシンは腫瘍をこわす働きもある
【旬の草花】
桐の花
初夏、桐は淡い紫の花を梢にたくさん咲かせます
【旬の味覚】
そうめん
さっと茹でたそうめん
氷水を入れた器で見た目も冷ややかに
ねぎ、生姜、しそ、茗荷などの薬味を添えて
つゆは簡単に自作して美味しくいただきましょう
次候
土潤いて溽暑し(つちうるおいてむしあつし)
むわっと熱気がまとわりつく蒸し暑いころ
打ち水や夕涼みなど暑さをしのぐひとときを
新暦では、およそ7月27日〜7月31日ごろ
【候の魚介】
あなご
よく脂ののったあなごは夏のスタミナのもと
関東では煮あなご、関西では焼あなごと東西で食べ方が異なる
握りでは、煮あなごのとろける食感の関東、関西では焼あなごの香ばしさが自慢
【旬の野菜】
枝豆(えだまめ)
ビールのお供に欠かせない枝豆は夏が旬
茶豆、だだちゃ豆、丹波黒大豆など、産地も品種も様々
さやの青みが深く、ほどよいふくらみがあるものが旨い
【旬の行事】
蛍狩り
ねぷた祭/ねぶた祭
末候
大雨時行る(たいうときどきふる)
夏の雨が時に激しく降るころ
新暦では、およそ8月1日~6日ころ
【候のことば】
蝉時雨(せみしぐれ)
夏が訪れるころ、にいにいぜみが鳴きはじめる
次に、あぶらぜみ、みんみんぜみ、くまぜみと続き
ひぐらしなどの蝉の大合唱となる
夏の終わりはつくつくぼうしのしんみりとした声が胸にしみる
蝉時雨とは、たくさんの蝉たちが一斉に鳴き立て、時雨が降りつけたように大きな音で鳴り響くこと
【旬の魚介】
太刀魚(たちうお)
夏から秋にかけて特に美味しい太刀魚
塩焼き、ムニエル、素朴な煮つけも美味
熱を通すことで淡白な白身に詰まった旨味がさらに増す魚だが、新鮮なものは刺身や昆布締めも楽しめる
【旬の果物】
すいか
縁側に腰かけ、空を見ながら食べるすいか
目隠しをして、棒を振り下ろすすいか割り
どれも夏の風物詩
一番の旬が八月半ばの立秋を過ぎることから、季語では秋とされている
【旬の虫】
カブトムシとクワガタ
【旬の行事】
秋田竿灯まつり
かぁやん商店
食と暮らしの歳時記 全ての記事へ