2年ぶりの訪問『ほうろく屋』・・・日本(世界)一の菜種油

毎月恒例となった「ほうろく屋見学会」へかぁやんのお弁当付き見学ツアーと称してお客様4名+2歳児1名と出かけてきた。

実は、第1回ほうろく屋工房見学会(まさかの月曜開催)にも参加しており、杉崎さんの篤い語りに感銘したのが約2年前。
氏の歩みはブレることなく、次々と新たな挑戦をしていた。

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昭和30年代の先代と変わらない製造方法で天日干し・唐箕がけ・焙煎・圧搾絞り・自然濾過・瓶詰めと、全ての工程をほぼ一人で産み出している。

10年後には時代が変わると当時は年間500kgしか採取できなかった愛知県産菜種を昨年までは約24tをこの二代目一人で搾油してきた。今年は40tの菜種の確保できた。現在は愛知県のみならず、北海道から大分までの広範囲で杉崎氏の思いに共感した生産者さんが契約栽培で栽培期間中(*)は農薬、化学肥料不使用の菜種を供給している。
*全ての作付け圃場で栽培期間中以外でも農薬や化学肥料は使っていないが、公的認定を受けていないこと、近隣圃場からの影響などを考慮して、敢えて「栽培期間中は」と答えている。

 

製法技術は職人技…
よくある製造工程では、マニュアル化され誰でも一定の品質でつくれることが大切と言われる。
効率化を優先する製造では確かにそうだが、やはり本物のそれは職人の経験値が全てにものを言う。

菜種の伝統製法において一番の肝となる焙煎。
原材料の菜種の状態、焙煎する日の温度や湿度など環境は一日の中でも変化する。
「何度で何分」という焙煎をしたら、逆に搾油された菜種油の品質が安定しなくなってしまう。
どんな環境においても「焙煎の頃合を見極める」これこそが職人技である。

氏云く
「手を抜かず、真剣に向かい合うことではじめて完成する、昔かしながらの方法で全てに正直に取り組んできた結果がこのほうろく屋の菜種油。」
自然濾過された蓋を開けた途端に周りに拡がる甘く爽やかな菜種の香り。
「そう、これがほうろく屋が皆さんに伝えたい愛情であり、杉崎学の物語り。」だと。

昔から菜種油は貴重なものでもあり、そのお値段を見ると一見お高く感じるのは否めない。
「この油で揚げ物なんて贅沢にもほどがある…」というのが当たり前の感想。
しかし、この愚直で自然に搾油される菜種油の価値はそんなものではない。

普通に売られている大量生産のサラダ油…
それらの多くは海外からの遺伝子組換え菜種を主原料とし、搾油途中で化学薬品で抽出され、本来不必要なシリコンを含有し消臭や脱臭を施されたモノ(口へ入れる食べ物としては不自然な感じはするがそれは今回おいておいて)は、直ぐに酸化し、使い捨てな油。

それに比べ、ほうろく屋の菜種油は、継ぎ足し使用が当たり前。何度も揚げ物で使ったものを炒め物に使いまわしができるエコな優れものなのである。

また、工房の床もとても清潔感があり、何と言っても床がベタベタしない。特別な掃除はしていないそう。自然な菜種油はあの嫌なベタつきもないのである。

身体にやさしく安全で安心、捨てる無駄もなく、掃除の手間も少ない
なんともクリーンでエコな油。
これらを付加価値と考えれば、最初の印象(価格)は払拭されること間違いない。

やはり選んだのは正解だった。とつくづく感じた。

最近の見学会では、その善さを身体で感じてもらえるようにアヒージョの振舞い(試食)もされる。
こうして胃袋を鷲掴みされてしまうとある意味、危険な見学会ではあるが、善さをもっと知ってもらいたいので
かぁやん商店としてはこれからもツアーを企画したいと考えている。

ツアーに参加されないお客様も、善い意味で騙されたと思って是非、ほうろく屋の菜種油を体験して欲しいと願う。

 

 

 

 

 

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