食と暮らしの歳時記
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。
二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。
清明(4月4日〜4月18日頃)
清明とは
すべてのものが清らかで生き生きとするころのこと。
若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞う、生命が輝く季節の到来です。
初候
玄鳥至る(つばめきたる)
海を渡って、つばめが南からやってくるころ。
また、去年の巣に戻ってくるだろうかと気にかけたり…
新暦では、およそ4月4日〜8日ころ
【候のことば】
お花まつり
4月8日はお釈迦様の生まれた日、灌仏会です。
花の咲きにぎわう季節、誕生を祝う降誕会がお花まつりに。
【旬の魚介】
初がつお
目には青葉山郭公はつ鰹
山口素堂
【旬の野鳥】
つばめ
東南アジアで越冬したつばめたちが、数千キロを渡って日本に戻ってきます。軒下など好んで巣をつくり「つばめが巣をかけた家には幸せが訪れる」と言われます。
玄鳥、乙鳥(つばくら)、天女(つばくらめ)・・・など春の使いの呼び名はさまざまです。
次候
鴻雁北へかえる(がんきたへかえる)
日が暖かくなり雁が北へ帰っていくころ。
夏場はシベリアへ、また秋には日本へ渡ってくる。
新暦では、およそ4月9日〜13日ごろ
候のことば
【雁風呂】
青森県津軽地方に伝わる民話にもとづく春の季語。
秋に雁が海を渡ってくるとき、海面に浮かべて休むための小枝をくわえてくる。浜辺に辿りつくとその枝を落とす。次の春に同じ枝を浜辺で拾って北へ帰るはずが、浜にはまだ枝が残っている…。それは、冬の間に帰られなくなった雁のもの。浜の人々は雁の供養のために、残った枝で焚いた風呂を旅人にふるまったというもの。
【旬の野菜】
たらのめ
【旬の魚】
ほたるいか
【旬の兆し】
鳥風(とりかぜ)
雁が群れをなし、薄曇りの空の下、北の海を渡っていく姿は優雅でもあり、厳しさも感じられます。
そんな春先の北国の曇り空を「鳥曇」というそうです。羽音が風の鳴るように聞こえることから、鳥風と呼ばれる。
末候
虹始めて見る(にじはじめてあらわれる)
春の雨あがり、空に初めて虹がかかる。
これから夏にかけて、夕立の後に多く見られる季節。
新暦では、およそ4月14日〜18日ころ
【旬の魚介】
めばる
【旬の野菜】
みつば
野草を摘んで食べていたみつばの栽培がはじまったのは江戸時代。
3月~4月が旬。
かぁやん商店
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