食と暮らしの歳時記「立秋」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

立秋(8月8日〜8月22日頃)

 
立秋とは、初めて秋の気配がほの見えるころのこと
暑い盛りだけれども、これからは夏の名残の「残暑」という
 
 

初候

涼風至る(りょうふういたる)
涼しい風が初めて立つころ
その風を秋の気配とみる
新暦では、およそ八月八日〜八月十二日ころ

 

【候のことば】

秋隣(あきとなり)
秋の気配をすぐそばに感じる、という意味の夏の季語「秋隣」
本来は立秋に入る前までのことばだが、八月の熱いさなかに時折吹く涼風こそ秋の気配かもしれません。
 


 

【旬の魚介】

しじみ
カルシウムや鉄分、ビタミンAやBなどの栄養価が高い
旬は八月ごろの土用しじみと、一〜二月の寒しじみ
 


 

【旬の果物】


八月の八日から十日は、八(は)九(く)十(とう)の語呂合わせで、白桃の日
桃は、七月〜九月が食べごろ。甘い果汁があふれとろけるような果肉
岡山の白桃が元祖だそう
ふっくら丸みがあり、全体にうぶ毛があるものを選ぶとよい
くれぐれも、実を押さないように(笑)


 

【旬の草花】

つゆくさ
瑠璃色をした小さな花
道ばたや畑のすみに咲いています
花の時期は七月〜九月。古くは、花の摺り布を染めたことから着き草と呼ばれたそう… 転じて、月草の名で歌に詠まれた花
 


 

次候

寒蝉なく(ひぐらしなく)
ひぐらしが鳴くころ
夕暮れに響く虫の声は、はかない夏の夢
新暦では、およそ八月十三日〜八月十七日ごろ

 


 

【候の虫】

ひぐらし
朝夕に鳴く声が涼を感じさせるひぐらし
俳句では、秋の季語
実際は六月の終わりごろから九月まで出会える蝉
 


 
 

【旬の草花】

ほおずき
お盆の花として飾られるほおずき
迎え火や送り火の提灯のよう、と見立てて供えられる
 


 
 

【旬の行事】

五山の送り火
 


 

 


 


 
 

末候

蒙霧升降す(のうむしょうこうす)
深い霧が立ち込めるころ
春は霞たち、秋は霧けぶる空模様
新暦では、およそ八月十八日~八月二十二日ころ
 


 

【候の魚介】

真だこ
一説によると
「た」は手、「こ」はたくさんという意味で「たこ」の名まえがついたとか…
 


 
 

【旬の野菜】

新しょうが
 


 

【旬の草花】

水引
上から見ると赤く、下から見ると白い花が、細長い花穂に点々といくつも咲いている
そのようすが祝儀の水引に見立てられて花の名まえになったとか
紅白の花が混じるのは「御所水引」
白い花だけのものは「銀水引」
 


 
 

 


 

【旬の兆し】

樹雨(きさめ)
 
濃い霧の林を歩いていると、木の葉から雨が落ちてくることがある
それが「樹雨」
葉や枝についた霧の粒が、しだいに大粒の滴になって地上へ落ちてくるもの


 
 
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食と暮らしの歳時記「小満」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

小満(5月20日〜6月4日頃)

 
小満とは
いのちが満ち満ちていくころのこと。
草木も花々も、鳥も虫も獣も人も、日を浴びてかがやく季節。
 
恋文とキス
5月23日は五(こい)二(ぶ)三(み)の語呂合わせで、ラブレターの日。
日本で初めてキスシーンが登場した映画「はたちの青春」の封切日(昭和21年(1946年))だから、キスの日でもあるとか。
ラブレターもキスも同じ日、ちょっと複雑かな…。

 

初候

蚕起きて桑を食う(かいこおきてくわをくう)
蚕が、桑の葉をいっぱい食べて育つころ
美しい絹糸となる繭を小さな体で紡ぐ
新暦では、およそ5月20日〜25日ころ

 

【候のことば】

木の葉採り月
 
まゆひとう仏のひざに作る也
            小林一茶


 

【旬の魚介】

鱚(きす)
魚偏に喜ぶと書く鱚は、江戸前天ぷらの代表格として江戸っ子に愛されてきた。旬は晩春から初夏にかけて。白身に脂がのって、握りでも絶品。


 

【旬の野菜】

そらまめ
桜が咲いた二か月後がその地方のそらまめの旬だとか。
というわけで、一番おいしいのは4月~6月。


 

【旬の兆し】

田毎の月
水を張った棚田の上に、ぽっかり浮かぶ月。
なだらかな斜面に段々になって広がる田んぼの一つ一つの水面に映る田毎の月。
 

【旬の行事】

三社祭(さんじゃまつり)
お祭り好きでにぎわう浅草の三社祭は5月の第3金曜日から日曜日までの三日間。はるか昔に浅草寺のご本尊を祀った土師中知(はじのまつち)と、そのご本尊を川からすくい上げた漁師の檜前浜成、武成兄弟の3人が神さまとして三つの神興で担がれます。
 
 

次候

紅花栄う(べにばなさかう)
紅花がいちめんに咲くころ。
化粧の紅がとれる花摘みはちくんととげに刺されながら。
新暦では、およそ5月26日〜30日ごろ

 
候のことば

【五月晴れ】

 
昔は梅雨のことを五月雨と呼んでいた。旧暦の5月に降る雨だから。
この時期のどんよりとした雨雲を五月雲と呼び、雨続きの中の途切れた晴れ間を五月晴れと言ったが、今では新暦の5月のさわやかな晴れを五月晴れと呼んでいる。
 
巣から飛ぶ燕くろし五月晴
           原 石鼎(はら せきてい)


 
 

【旬の魚介】

クルマエビ
初候の鱚と並ぶ、江戸前天ぷらの主役がクルマエビ。
初夏が旬。昔は内湾でアミを引く打たせ網で漁をしたそう。
茹でたクルマエビは江戸で握りが生まれて以来のネタだとか。
 


 
 

【旬の草花】

紅花(べにばな)

 


 
 

【旬の行事】

潮干狩り
 


 
 

末候

麦秋至る(ばくしゅういたる)
麦が熟して収穫するころ
実りの季節を、麦の秋と呼んだ
新暦では、およそ5月31日〜6月5日ころ


 
 

【旬の果物】

びわ
 
桃栗3年、柿8年、びわは早くて13年。
旬は5月~7月初旬。また、びわは大薬王樹と呼ばれ、昔から薬用になってきた。
 


 
 

 
 

【旬の野鳥】

しじゅうから
四十雀と書きます。街中でも見かけられます。


 

【旬の兆し】

麦嵐

刈り取りを待つ麦畑はいちめん黄金色。
麦秋の時期に麦の穂を揺らし、吹き渡っていく風のこと。
麦の秋風ともいう。この頃に降る雨を麦雨と呼ぶ。


 

【旬の日】

路地の日

6月2日を6(ろと)2(じ)で、路地の日。
長野県下諏訪の「路地を歩く会」が路地の良さを見直そうと作った日。歴史のある街には路地がつきもの。表通りからは見えてこない街並みの素顔にふれる古きよき散歩道。
 


 

 
 
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食と暮らしの歳時記「立夏」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

立夏(5月5日〜5月20日頃)

 
立夏とは
しだいに夏めいてくるころのこと。
あおあおとした緑、さわやかな風、気持ちいい五月晴れの季節。
 
鯉のぼりの祭
5月5日は端午の節句。江戸時代から続く、鯉のぼりの風習。
全国的に観られる川にロープを張り鯉のぼりを風に泳がせる祭は、1979年に熊本県杖立温泉ではじまったとか。

 

初候

蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)
野原や田んぼで蛙が鳴きはじめるころ。
新暦では、およそ5月5日〜10日ころ

 

【候のことば】

畔の蛙


 

【旬の魚介】

金目鯛(きんめだい)
大きなものは体長50センチを超えるほど。釣りたては淡いピンク色、しだいに赤くなる。
旬は5月~6月、冬。大きいほど脂のりがよくて美味しい。


 

【旬の野菜】

にんじん
免疫力を高めるカロテンたっぷりなにんじん。
ただし、アスコルナーゼというビタミンCをこわしてしまう成分があるので、加熱するか、生で食べる場合はお酢と一緒に食べるとよい。
旬は4月~7月、11月~12月。


 

【旬の行事】

端午の節句
菖蒲湯は、葉の香り立ち、茎が保温効果や血行促進になるそう。
お湯を張る時から両方を束ねて入れると、香りもお湯も楽しめる。
柏餅は日本の慣わし。柏は新芽が出るまで葉が落ちないことから、家系が絶えない縁起物とされた。
 
 

次候

蚯蚓出ずる(みみずいずる)
みみずが土の中から出てくるころ。
土を肥やしてくれる、田畑の隠れた味方…。
新暦では、およそ5月11日〜15日ごろ

 
候のことば

【母の日】

 
そもそもアメリカから渡ってきた記念日。
 


 
 

【旬の果物】


苺の旬は5月~6月。へたをとってから洗うとせっかくのビタミンCが流れてしまうので、へたは食べる直前までとらないで!
 
 


 
 

【旬の野鳥】

ほおじろ

 


 
 

【旬の行事】

長良川の鵜飼い開き
1300年の古い歴史があるという長良川の鵜飼い開きの日は5月11日。
夜の川に篝火を軸先に焚いた鵜舟が何艘も現れ舟上の鵜匠の巧みな手縄さばきで10~12羽の鵜を従える。
 
おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな
             松尾芭蕉

 


 
 

末候

竹笋生ず(たけのこしょうず)
たけのこが、ひょっこりと出てくること
伸びすぎないうちに、とれたてを味わおう
新暦では、およそ5月16日〜20日ころ


 
 

【旬の野菜】

たけのこ
 


 
 

 
 

【旬の魚介】

あさり


 

【旬の兆し】

田水張る
代掻き作業


 

【旬の行事】

葵祭


 

 
 
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