食と暮らしの歳時記『白露』

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

白露(9月7日〜9月21日頃)

 
白露とは、大気が冷えてきて露を結ぶころのこと
ようやく残暑が引いていき、本格的な秋が訪れる
 


 

初候

草露白し(くさのつゆしろし)
草に降りた露が白く光って見えるころ
朝夕の涼しさが、くっきりと際立ってくる
新暦では、およそ九月七日〜九月十一日ころ

 

【候のことば】

重陽の節句(ちょうようのせっく)
九月九日は重陽の節句。菊の節句で、長寿を祈る日
昔は旧暦で数えたので、ちょうど菊の花盛りだったが、新暦ではやや早い感じ
昔は収穫祭の意味合いの濃い行事で、栗の節句とも呼ばれ、栗ご飯などで祝い、感謝を捧げたともいわれる
 


 

【旬の魚介】

島鯵(しまあじ)
刺身も握りも絶品の島鯵
旬は夏から秋。伊豆諸島でよくとれていたことから、島の字がついたとも
また、黄色の縞があり縞鯵とも
食感がよく旨みがしっかりしている
 


 

【旬の草花】

秋の七草
萩、すすき、葛、なでしこ、おみなえし、藤袴、桔梗
いちどきに咲くのではなく、秋が深まりながら花開きていく七種の草花
秋の字が用いられる『萩』は秋の花としてなじみ深いもの
自生できる野山も少なくなり、絶滅の危機にある藤袴や桔梗
大切に繋ぎたいものです


 

 


 

次候

鶺鴒鳴く(せきれいなく)
鶺鴒が鳴きはじめるころ
イサナキとイナサミに男女の交わりを教えたことから、恋教え鳥とも呼ばれる
新暦では、およそ九月十二日〜九月十六日ごろ

 


 

【候のことば】

鶺鴒(せきれい)
チチィ、チチィと鳴く、尾の長い小鳥が鶺鴒の一種、白鶺鴒
鶺鴒は日本書紀にも登場するというからおどろき
尾を振るようすを男女の交わりに見立てたのが、イサナキとイサナミが契りを交わそうとしたとき、その仕方を教えたのが鶺鴒
小鳥の尾を振る動きで神様たちはピンときた?!
 


 
 

【旬の魚介】

あわび
会のご馳走食材、あわび
旬は八月~十月。日本で食べているのはクロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、マダカアワビ
あわびは巻貝の仲間。二枚あるはずの貝殻が片方ないから、合わぬ身、転じてあわびと名がついたとか。
 


 
 

【旬の果物】

梨(なし)
 


 
 

 
 

末候

玄鳥去る(つばめさる)
つばめが南に帰るころ
春先に訪れた渡り鳥と、しばしの別れ
新暦では、およそ九月十七日~九月二十一日ころ
 
 

【候のことば】

鶏頭(けいとう)
花の名、雄鶏の鶏冠のような真っ赤な花を咲かせることから由来する


 

【候の魚介】

昆布(こんぶ)

 


 
 

 


 

【旬の野菜】

茄子(なす)
秋野菜としての楽しみの一つ
旬は7月~9月、夏にとれるから夏美(なつみ)と呼ばれ、なすび、なすとなったそう

 


 
 

 
 
 
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食と暮らしの歳時記「処暑」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

処暑(8月22日〜9月6日頃)

 
処暑とは、暑さが少しやわらぐころのこと
朝の風や夜の虫の声に、秋の気配が漂い出します
 
 

初候

綿柎開く(わたのはなしべひらく)
綿の実を包むがくが開くころ
種を包む綿毛をほぐし綿の糸を紡ぐ
新暦では、およそ八月二十二日〜八月二十七日ころ

 

【候のことば】

綿花(めんか)
麺の木は七月~八月に花を咲かせ、その後に蒴果(さくか)という実をつける
その実がはじけて、ひとつの実からいくつか現れる白い繊維がコットンボール、種を包んだふわふわの綿花
 


 

【旬の魚介】

かさご
とげだらけの見た目と裏腹に、かさごは上品な味わいの白身魚。
旬は夏。刺身でも焼いても煮ても美味。塩焼きの残り身に熱いお湯をかけて骨湯にしたり、アラで出汁をとって鍋物や味噌汁にしたり、一尾で二度も三度も楽しめる
 


 

【旬の果物】

すだち
酸味が強すぎず、さっぱりさわやかなすだち
旬は八月、九月。特産は徳島。鍋物によし、焼き魚によしの、食欲を誘う酸っぱさ。
疲労回復や風邪の予防にもひと役買う優れもの。
豚肉や鰯、さんまととくに好相性
すだちの優しい香りはポン酢にもピッタリ!


 

 


 

次候

天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
ようやく暑さが収まりはじめるころ
夏の気が落ち着き、万物があらたまる時期とされる
新暦では、およそ八月二十八日〜九月一日ごろ

 


 

【候のことば】

二百十日(にひゃくとおか)
二百十日は雑節のひとつ
立春から数えて二百十日目
台風がやってくるころ
 


 
 

【旬の魚介】

ぐち(シログチ)
白身でくせのないぐちは、刺身が極上
 


 
 

【旬の果物】

ぶどう
 


 
 

【旬の行事】

大曲の全国花火競技大会
毎年八月第四土曜日に、日本で最も大規模な花火大会が、秋田県大仙市の大曲で開かれる

 


 


 
 

末候

禾乃登る(こくものみのる)
田に稲が実り、穂をたらすころ
禾とは、稲や栗などの穀物のことをいう
新暦では、およそ九月二日~九月六日ころ
 
 

【候のことば】

禾(のぎ)
禾とは、稲などの穂先に生えている毛のこと
稲や麦、稗、粟などの穀物の総称
のぎとものげとも呼ばれ「禾」の字は、もともと穂をたらした稲の姿を描いた象形文字だったそう


 

【候の魚介】

鰯(いわし)
暑くなるにつれて脂がのり、美味しくなる鰯
旬は六月〜十月。新鮮なものを握りや刺身、なめろうでいただくと旬を感じる青魚。
また、寒い季節の鰯つみれ汁もおつなもの
 


 
 

 


 

【旬の果物】

無花果(いちじく)
江戸時代に入ってきたという無花果
初めは薬草だったそう
旬は八月終わりから十月にかけて
実の中に咲かせる白い花は、外からは見えず、花の無い果という名前になったとか
 


 
 

 


 

【旬の草花】

きんえのころ
ねこじゃらしの名前でしたしまれている「えのころぐさ」の一種
えのころとは子犬のしっぽのようだからついた名前
秋の日が金色の穂にあたり風に揺れる野が懐かしい
 


 
 
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食と暮らしの歳時記「大雪」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

大雪(12月7日〜12月20日頃)

 
大雪(たいせつ)は二十四節気の第21節目です。
いよいよ本格的に雪が降りだす頃のこと。
 
秋を彩る紅葉も散り始め、見納めに近づいていますね。

12月に入ってからは日に日に寒さが増していくのを身体に感じています。

新年の準備をはじめる「正月事始め」の日もこの時期の12月13日です。
現代では大掃除はもっと年末に行なわれますが、かつてはこの日に「煤払い(すすはらい)」を行なう習慣がありました。すみずみまできれいにすればするほど、新しい年に年神様がたくさんのご利益を持ってきてくれるとか。

大掃除はまた時間と余裕のある時にするとして(笑)、とりあえず13日には玄関や神棚などを念入りにきれいにして、年神様がいらっしゃる前の暮れの時期に、たくさんのお客さまがたくさんのご利益を持ってきてくださることを願いましょう。
 


 
大雪の時期に旬を迎える食べ物には、牡蠣や鰤と言った海鮮や、ニラ、ネギなどの野菜があります。牡蠣の土手鍋や鰤しゃぶなどはまさに旬をいただくにはぴったりの鍋料理ですね。
 

 
レンコンやニンジン、ダイコン、サツマイモ、カボチャ、ゴボウなど根菜類も旬となります。根菜類には血行を促して代謝をアップさせる効果や、食物繊維が豊富なため便秘解消効果が期待できると言われています。

日中は温かい日もありますが、朝晩を中心にとても冷えてきています。
寒さからつい室内に閉じこもりがちになり、血行不良や便秘になりやすいため、旬の根菜類を上手に食事に採り入れて体調管理に生かしてみましょう。
 
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