食と暮らしの歳時記「大暑」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

大暑(7月23日〜8月7日頃)

 
大暑とは、最も暑い真夏のころのこと
土用のうなぎ、風鈴、花火と、風物詩の目白押し。
 
浴衣と蚊帳
浴衣のさっぱりとした着心地は、何よりの夏の涼ではないでしょうか
素足に下駄で出かけるのも気持ちの良いものですね
そんな浴衣を湯上りに着るようになったのは、安土桃山のころとか
江戸時代に入り、普段着として広まっていった
夏の夜には、蚊を通さずに風を通す蚊帳を吊って眠ったもの
殺虫剤や網戸、クーラーの普及で蚊帳も使われなくなったけど、電気も薬品も使わないので最近見直されてきている
 

初候

桐始めて花を結ぶ(きりはじめてはなをむすぶ)
桐が梢高く実を結び始めるころ
和のくらしの中で桐は家具として役立ってきました
新暦では、およそ7月23日〜27日ころ

 

【候の野菜】

きゅうり
ほとんどが水分でできているきゅうり
体を冷やし、水分補給にもなるすぐれもの
糠漬けにすると米ぬかと乳酸菌が働いてビタミンが増す
皮に含まれるククルビタシンは腫瘍をこわす働きもある
 


 

【旬の草花】

桐の花
初夏、桐は淡い紫の花を梢にたくさん咲かせます
 


 

【旬の味覚】

そうめん
さっと茹でたそうめん
氷水を入れた器で見た目も冷ややかに
ねぎ、生姜、しそ、茗荷などの薬味を添えて
つゆは簡単に自作して美味しくいただきましょう


 

 

次候

土潤いて溽暑し(つちうるおいてむしあつし)
むわっと熱気がまとわりつく蒸し暑いころ
打ち水や夕涼みなど暑さをしのぐひとときを
新暦では、およそ7月28日〜8月1日ごろ

 


 

【候の魚介】

あなご
よく脂ののったあなごは夏のスタミナのもと
関東では煮あなご、関西では焼あなごと東西で食べ方が異なる
握りでは、煮あなごのとろける食感の関東、関西では焼あなごの香ばしさが自慢
 


 
 

【旬の野菜】

枝豆(えだまめ)
ビールのお供に欠かせない枝豆は夏が旬
茶豆、だだちゃ豆、丹波黒大豆など、産地も品種も様々
さやの青みが深く、ほどよいふくらみがあるものが旨い
 


 
 

【旬の行事】

蛍狩り
 


 
ねぷた祭/ねぶた祭
 

 


 
 

末候

大雨時行る(たいうときどきふる)
夏の雨が時に激しく降るころ
新暦では、およそ8月2日~6日ころ
 


 

【候のことば】

蝉時雨(せみしぐれ)
夏が訪れるころ、にいにいぜみが鳴きはじめる
次に、あぶらぜみ、みんみんぜみ、くまぜみと続き
ひぐらしなどの蝉の大合唱となる
夏の終わりはつくつくぼうしのしんみりとした声が胸にしみる
蝉時雨とは、たくさんの蝉たちが一斉に鳴き立て、時雨が降りつけたように大きな音で鳴り響くこと
 


 
 

【旬の魚介】

太刀魚(たちうお)
 
夏から秋にかけて特に美味しい太刀魚
塩焼き、ムニエル、素朴な煮つけも美味
熱を通すことで淡白な白身に詰まった旨味がさらに増す魚だが、新鮮なものは刺身や昆布締めも楽しめる
 


 

【旬の果物】

すいか
縁側に腰かけ、空を見ながら食べるすいか
目隠しをして、棒を振り下ろすすいか割り
どれも夏の風物詩
一番の旬が八月半ばの立秋を過ぎることから、季語では秋とされている
 


 
 

【旬の虫】

カブトムシとクワガタ
 


 

【旬の行事】

秋田竿灯まつり
 


 
 
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食と暮らしの歳時記「小暑」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

小暑(7月7日〜7月22日頃)

 
小暑とは、梅雨が明けて本格的に夏になるころのこと
この小暑から立秋になるまでが、暑中見舞いの時期
 
 

初候

温風至る
夏の風が、熱気を運んでくるころ
梅雨明けごろに吹く風を、白南風(しろはえ)と呼ぶそう
新暦では、およそ7月7日〜11日ころ

 

【候のことば】

七夕
 


 

【旬の野菜】

ゴーヤー、へちまなど夏バテに負けない野菜
初夏、桐は淡い紫の花を梢にたくさん咲かせます
 


 

【旬の魚介】

こち
夏を代表する昔ながらの高級魚
淡白で上品な甘煮のある白身は握りでも美味
必ず夫婦一緒にいる魚だそう
一匹釣れると必ずもう一匹釣れるとか
こちの夫婦仲にあやかって、七夕の献立にいいかもね


 

 

次候

蓮始めて開く
蓮の花が咲き始めるころ
夜明けとともに水面に花を咲かせる
新暦では、およそ7月12日〜7月16日ごろ

 


 

【候のことば】

古代蓮
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」
清らかな姿が古来人を惹きつけてきた蓮
土の中で長い歳月、発芽する力を保つ
 


 
 

【旬の野菜】

とうもろこし
茹でたとうもろこしが食卓にのぼるとあざやかな黄色の実に夏の訪れを感じる
旬は6月~9月。焼きとうもろこしの香ばしさ、かぶりついた時の瑞々しさは夏の味
 


  

 


  

 


  

末候

鷹乃学を習う(たかわざをならう)
鷹のひなが飛び方を覚えるころ
巣立ちし、獲物を捕らえ、一人前になっていく
新暦では、およそ7月17日~22日ころ
 


 

【候のことば】

土用入り(どよういり)
夏の土用は、立秋前の18日間のことで、七月二十日ころに土用入りする
その土用の時期にある丑の日が、土用の丑の日。暑い盛りで夏バテしないように、うなぎをはじめ、土用しじみ、土用餅、土用卵など精のつくものを食べる習慣が生まれた
 


 
 

【旬の魚介】

うなぎ
 
夏のご馳走といえば、うなぎの蒲焼
ビタミンAやDが豊富でビタミンAは一串に大人3日分の栄養が詰まっているとか
夏やせによいと万葉集に登場するほど、昔から精のつく魚とされてきました
 


 

【旬の野菜】

モロヘイヤ
夏のネバネバ野菜としてすっかり定着したモロヘイヤ
旬は真夏。ビタミンもミネラルもたくさん詰まっていて、外食がちな時に食べると、栄養バランスを整えてくれます
 


 
 

【旬の野鳥】

ハチクマ
 


 

 


 
 
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食と暮らしの歳時記「夏至」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

夏至(6月21日〜7月6日頃)

 
夏至とは、1年でもっとも日が長く、夜が短いころのこと
これから夏の盛りへと、暑さが日に日に増していきます
 
天然の明かりをともす夜
夏至と冬至の夜に、ろうそくの灯をともす
電気を消して、天然の火を灯しながら、夏至の夜を過ごしてみるのもいいものです
揺らいでは静かに燃え続ける炎を眺めていると、いつもより時間がゆっくり流れていくようです
 

初候

乃東枯る(なつかれくさかれる)
うつばぐさの花穂が黒ずんで枯れたように見えるころ
その花穂は生薬として、昔から洋の東西を問わず役立っていたとか…
新暦では、およそ6月21日〜25日ころ

 

【候のことば】

身近な薬草
うつばぐさにちなんで、薬草のこと。
まだ少し先ですが、夏にひりひり日焼けした首の後ろや腕などにアロエの葉をさいてひんやり冷たい葉肉をあてると延焼を鎮めてくれます。また、この時期はどくだみも頼れる薬草。使い方、効能も様々です。是非、調べてみてください。 


 

【旬の魚介】


塩焼きが夏の訪れを知らせる鮎
6月に鮎釣りが解禁され、まさに夏が旬。
川によって味が違うといわれ、きゅうりに似た独特の香りすることから、香魚ともいわれる。骨ごと食べられるので、カルシウムやリンなどの栄養も豊富。


 

【旬の果物】

夏みかん
代謝をよくして疲れをやわらげるクエン酸も、美肌やかぜ予防、老化を抑えるビタミンCもたっぷりと詰まっている夏みかん
香りがよいので、レモンの代わりにサラダにかけてもよいですね。


 

 

次候

菖蒲華さく(あやめはなさく)
菖蒲が花を咲かせるころ
この花が咲いたら、梅雨到来の目安でした
新暦では、およそ6月26日〜30日ごろ

 


 

【候のことば】

晴耕雨読
梅雨のさなかのこの時期は、気分も晴れません
雨の楽しみ方をいろいろと考えてみるのもよいものです
 


 
 

【旬の魚介】

かんぱち
脂がのっているかんぱちは刺身が一番
くせがなく、さっぱりしています
 


 
 

【旬の兆し】

青時雨(あおしぐれ)
初夏、あおあおとした木々の葉に降りたまった雨が、ぱたぱたと落ちてくることをいいます
ひんやりとした雨粒がさわやかなおどろきをくれるひととき
青嵐とは、新緑の上を吹くいきおいのある風のこと
 


 

【旬の行事】

夏越しの祓(なごしのはらえ)
6月と12月には、罪や穢れを落とす祓えの行事があり、6月の大祓を夏越しの祓、12月を年越しの祓と呼んでいます
夏越しの祓では、多くの神社に茅草でつくった輪が立てられ、茅の輪くぐりを行います
 


 


 
 

末候

半夏生ず(はんげしょうず)
半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころ
田植えを終わらせる「農事」の節目
新暦では、およそ7月1日~6日ころ
 


 

【候のことば】

祇園祭
京都の夏の風物詩、祇園早坂神社の祭礼
7月1日から1カ月も行われる長い祭り
平安京で疾病が流行った貞観11年(869年)に、無病息災を祈る儀式が行われたのが起源といわれている
最大の見せ場は、17日の山鉾巡行
鉾や長刀を立てた山鉾が四条烏丸から京の町をめぐる一大イベント!
 


 
 

【旬の魚介】

はも
 
関東では料理屋の魚の印象だが、関西では日々の食卓にあがるはも
梅雨入りから7月頃が脂ののる旬
祇園祭の間、旬が続くことから祭りはもと呼ばれることも
 


 

【旬の野菜】

おくら
夏のネバネバ野菜は元気のもと
おくらに含まれるネバネバ成分は、免疫力を高めたり、ストレスで弱ったおなかの調子を整えたりしてくれる
 


 
 

【旬の兆し】

半夏雨(はんげあめ)

夏至から数えて11日目がが半夏生
田植えを済ませた農家が休息をとる日
この半夏生に降る雨を「半夏雨」というが、この日の天気によって1年の豊作を占う習慣があったとか
田植えを終えた田んぼから天へ、田の神様が昇っていくのが半夏雨になったとも…
 


 
 
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