食と暮らしの歳時記「処暑」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

処暑(8月22日〜9月6日頃)

 
処暑とは、暑さが少しやわらぐころのこと
朝の風や夜の虫の声に、秋の気配が漂い出します
 
 

初候

綿柎開く(わたのはなしべひらく)
綿の実を包むがくが開くころ
種を包む綿毛をほぐし綿の糸を紡ぐ
新暦では、およそ八月二十二日〜八月二十七日ころ

 

【候のことば】

綿花(めんか)
麺の木は七月~八月に花を咲かせ、その後に蒴果(さくか)という実をつける
その実がはじけて、ひとつの実からいくつか現れる白い繊維がコットンボール、種を包んだふわふわの綿花
 


 

【旬の魚介】

かさご
とげだらけの見た目と裏腹に、かさごは上品な味わいの白身魚。
旬は夏。刺身でも焼いても煮ても美味。塩焼きの残り身に熱いお湯をかけて骨湯にしたり、アラで出汁をとって鍋物や味噌汁にしたり、一尾で二度も三度も楽しめる
 


 

【旬の果物】

すだち
酸味が強すぎず、さっぱりさわやかなすだち
旬は八月、九月。特産は徳島。鍋物によし、焼き魚によしの、食欲を誘う酸っぱさ。
疲労回復や風邪の予防にもひと役買う優れもの。
豚肉や鰯、さんまととくに好相性
すだちの優しい香りはポン酢にもピッタリ!


 

 


 

次候

天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
ようやく暑さが収まりはじめるころ
夏の気が落ち着き、万物があらたまる時期とされる
新暦では、およそ八月二十八日〜九月一日ごろ

 


 

【候のことば】

二百十日(にひゃくとおか)
二百十日は雑節のひとつ
立春から数えて二百十日目
台風がやってくるころ
 


 
 

【旬の魚介】

ぐち(シログチ)
白身でくせのないぐちは、刺身が極上
 


 
 

【旬の果物】

ぶどう
 


 
 

【旬の行事】

大曲の全国花火競技大会
毎年八月第四土曜日に、日本で最も大規模な花火大会が、秋田県大仙市の大曲で開かれる

 


 


 
 

末候

禾乃登る(こくものみのる)
田に稲が実り、穂をたらすころ
禾とは、稲や栗などの穀物のことをいう
新暦では、およそ九月二日~九月六日ころ
 
 

【候のことば】

禾(のぎ)
禾とは、稲などの穂先に生えている毛のこと
稲や麦、稗、粟などの穀物の総称
のぎとものげとも呼ばれ「禾」の字は、もともと穂をたらした稲の姿を描いた象形文字だったそう


 

【候の魚介】

鰯(いわし)
暑くなるにつれて脂がのり、美味しくなる鰯
旬は六月〜十月。新鮮なものを握りや刺身、なめろうでいただくと旬を感じる青魚。
また、寒い季節の鰯つみれ汁もおつなもの
 


 
 

 


 

【旬の果物】

無花果(いちじく)
江戸時代に入ってきたという無花果
初めは薬草だったそう
旬は八月終わりから十月にかけて
実の中に咲かせる白い花は、外からは見えず、花の無い果という名前になったとか
 


 
 

 


 

【旬の草花】

きんえのころ
ねこじゃらしの名前でしたしまれている「えのころぐさ」の一種
えのころとは子犬のしっぽのようだからついた名前
秋の日が金色の穂にあたり風に揺れる野が懐かしい
 


 
 
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食と暮らしの歳時記「立秋」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

立秋(8月7日〜8月21日頃)

 
立秋とは、初めて秋の気配がほの見えるころのこと
暑い盛りだけれども、これからは夏の名残の「残暑」という
 
 

初候

涼風至る(りょうふういたる)
涼しい風が初めて立つころ
その風を秋の気配とみる
新暦では、およそ八月七日〜八月十一日ころ

 

【候のことば】

秋隣(あきとなり)
秋の気配をすぐそばに感じる、という意味の夏の季語「秋隣」
本来は立秋に入る前までのことばだが、八月の熱いさなかに時折吹く涼風こそ秋の気配かもしれません。
 


 

【旬の魚介】

しじみ
カルシウムや鉄分、ビタミンAやBなどの栄養価が高い
旬は八月ごろの土用しじみと、一〜二月の寒しじみ
 


 

【旬の果物】


八月の八日から十日は、八(は)九(く)十(とう)の語呂合わせで、白桃の日
桃は、七月〜九月が食べごろ。甘い果汁があふれとろけるような果肉
岡山の白桃が元祖だそう
ふっくら丸みがあり、全体にうぶ毛があるものを選ぶとよい
くれぐれも、実を押さないように(笑)


 

【旬の草花】

つゆくさ
瑠璃色をした小さな花
道ばたや畑のすみに咲いています
花の時期は七月〜九月。古くは、花の摺り布を染めたことから着き草と呼ばれたそう… 転じて、月草の名で歌に詠まれた花
 


 

次候

寒蝉なく(ひぐらしなく)
ひぐらしが鳴くころ
夕暮れに響く虫の声は、はかない夏の夢
新暦では、およそ八月十二日〜八月十六日ごろ

 


 

【候の虫】

ひぐらし
朝夕に鳴く声が涼を感じさせるひぐらし
俳句では、秋の季語
実際は六月の終わりごろから九月まで出会える蝉
 


 
 

【旬の草花】

ほおずき
お盆の花として飾られるほおずき
迎え火や送り火の提灯のよう、と見立てて供えられる
 


 
 

【旬の行事】

五山の送り火
 


 

 


 


 
 

末候

蒙霧升降す(のうむしょうこうす)
深い霧が立ち込めるころ
春は霞たち、秋は霧けぶる空模様
新暦では、およそ八月十七日~八月二十一日ころ
 


 

【候の魚介】

真だこ
一説によると
「た」は手、「こ」はたくさんという意味で「たこ」の名まえがついたとか…
 


 
 

【旬の野菜】

新しょうが
 


 

【旬の草花】

水引
上から見ると赤く、下から見ると白い花が、細長い花穂に点々といくつも咲いている
そのようすが祝儀の水引に見立てられて花の名まえになったとか
紅白の花が混じるのは「御所水引」
白い花だけのものは「銀水引」
 


 
 

 


 

【旬の兆し】

樹雨(きさめ)
 
濃い霧の林を歩いていると、木の葉から雨が落ちてくることがある
それが「樹雨」
葉や枝についた霧の粒が、しだいに大粒の滴になって地上へ落ちてくるもの


 
 
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食と暮らしの歳時記「大暑」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

大暑(7月22日〜8月6日頃)

 
大暑とは、最も暑い真夏のころのこと
土用のうなぎ、風鈴、花火と、風物詩の目白押し。
 
浴衣と蚊帳
浴衣のさっぱりとした着心地は、何よりの夏の涼ではないでしょうか
素足に下駄で出かけるのも気持ちの良いものですね
そんな浴衣を湯上りに着るようになったのは、安土桃山のころとか
江戸時代に入り、普段着として広まっていった
夏の夜には、蚊を通さずに風を通す蚊帳を吊って眠ったもの
殺虫剤や網戸、クーラーの普及で蚊帳も使われなくなったけど、電気も薬品も使わないので最近見直されてきている
 

初候

桐始めて花を結ぶ(きりはじめてはなをむすぶ)
桐が梢高く実を結び始めるころ
和のくらしの中で桐は家具として役立ってきました
新暦では、およそ7月22日〜26日ころ

 

【候の野菜】

きゅうり
ほとんどが水分でできているきゅうり
体を冷やし、水分補給にもなるすぐれもの
糠漬けにすると米ぬかと乳酸菌が働いてビタミンが増す
皮に含まれるククルビタシンは腫瘍をこわす働きもある
 


 

【旬の草花】

桐の花
初夏、桐は淡い紫の花を梢にたくさん咲かせます
 


 

【旬の味覚】

そうめん
さっと茹でたそうめん
氷水を入れた器で見た目も冷ややかに
ねぎ、生姜、しそ、茗荷などの薬味を添えて
つゆは簡単に自作して美味しくいただきましょう


 

 

次候

土潤いて溽暑し(つちうるおいてむしあつし)
むわっと熱気がまとわりつく蒸し暑いころ
打ち水や夕涼みなど暑さをしのぐひとときを
新暦では、およそ7月27日〜7月31日ごろ

 


 

【候の魚介】

あなご
よく脂ののったあなごは夏のスタミナのもと
関東では煮あなご、関西では焼あなごと東西で食べ方が異なる
握りでは、煮あなごのとろける食感の関東、関西では焼あなごの香ばしさが自慢
 


 
 

【旬の野菜】

枝豆(えだまめ)
ビールのお供に欠かせない枝豆は夏が旬
茶豆、だだちゃ豆、丹波黒大豆など、産地も品種も様々
さやの青みが深く、ほどよいふくらみがあるものが旨い
 


 
 

【旬の行事】

蛍狩り
 


 
ねぷた祭/ねぶた祭
 

 


 
 

末候

大雨時行る(たいうときどきふる)
夏の雨が時に激しく降るころ
新暦では、およそ8月1日~6日ころ
 


 

【候のことば】

蝉時雨(せみしぐれ)
夏が訪れるころ、にいにいぜみが鳴きはじめる
次に、あぶらぜみ、みんみんぜみ、くまぜみと続き
ひぐらしなどの蝉の大合唱となる
夏の終わりはつくつくぼうしのしんみりとした声が胸にしみる
蝉時雨とは、たくさんの蝉たちが一斉に鳴き立て、時雨が降りつけたように大きな音で鳴り響くこと
 


 
 

【旬の魚介】

太刀魚(たちうお)
 
夏から秋にかけて特に美味しい太刀魚
塩焼き、ムニエル、素朴な煮つけも美味
熱を通すことで淡白な白身に詰まった旨味がさらに増す魚だが、新鮮なものは刺身や昆布締めも楽しめる
 


 

【旬の果物】

すいか
縁側に腰かけ、空を見ながら食べるすいか
目隠しをして、棒を振り下ろすすいか割り
どれも夏の風物詩
一番の旬が八月半ばの立秋を過ぎることから、季語では秋とされている
 


 
 

【旬の虫】

カブトムシとクワガタ
 


 

【旬の行事】

秋田竿灯まつり
 


 
 
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