食と暮らしの歳時記「小暑」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

小暑(7月6日〜7月21日頃)

 
小暑とは、梅雨が明けて本格的に夏になるころのこと
この小暑から立秋になるまでが、暑中見舞いの時期
 
 

初候

温風至る
夏の風が、熱気を運んでくるころ
梅雨明けごろに吹く風を、白南風(しろはえ)と呼ぶそう
新暦では、およそ7月6日〜11日ころ

 

【候のことば】

七夕
 


 

【旬の野菜】

ゴーヤー、へちまなど夏バテに負けない野菜
初夏、桐は淡い紫の花を梢にたくさん咲かせます
 


 

【旬の魚介】

こち
夏を代表する昔ながらの高級魚
淡白で上品な甘煮のある白身は握りでも美味
必ず夫婦一緒にいる魚だそう
一匹釣れると必ずもう一匹釣れるとか
こちの夫婦仲にあやかって、七夕の献立にいいかもね


 

 

次候

蓮始めて開く
蓮の花が咲き始めるころ
夜明けとともに水面に花を咲かせる
新暦では、およそ7月12日〜7月16日ごろ

 


 

【候のことば】

古代蓮
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」
清らかな姿が古来人を惹きつけてきた蓮
土の中で長い歳月、発芽する力を保つ
 


 
 

【旬の野菜】

とうもろこし
茹でたとうもろこしが食卓にのぼるとあざやかな黄色の実に夏の訪れを感じる
旬は6月~9月。焼きとうもろこしの香ばしさ、かぶりついた時の瑞々しさは夏の味
 


  

 


  

 


  

末候

鷹乃学を習う(たかわざをならう)
鷹のひなが飛び方を覚えるころ
巣立ちし、獲物を捕らえ、一人前になっていく
新暦では、およそ7月17日~21日ころ
 


 

【候のことば】

土用入り(どよういり)
夏の土用は、立秋前の18日間のことで、七月二十日ころに土用入りする
その土用の時期にある丑の日が、土用の丑の日。暑い盛りで夏バテしないように、うなぎをはじめ、土用しじみ、土用餅、土用卵など精のつくものを食べる習慣が生まれた
 


 
 

【旬の魚介】

うなぎ
 
夏のご馳走といえば、うなぎの蒲焼
ビタミンAやDが豊富でビタミンAは一串に大人3日分の栄養が詰まっているとか
夏やせによいと万葉集に登場するほど、昔から精のつく魚とされてきました
 


 

【旬の野菜】

モロヘイヤ
夏のネバネバ野菜としてすっかり定着したモロヘイヤ
旬は真夏。ビタミンもミネラルもたくさん詰まっていて、外食がちな時に食べると、栄養バランスを整えてくれます
 


 
 

【旬の野鳥】

ハチクマ
 


 

 


 
 
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食と暮らしの歳時記「夏至」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

夏至(6月21日〜7月5日頃)

 
夏至とは、1年でもっとも日が長く、夜が短いころのこと
これから夏の盛りへと、暑さが日に日に増していきます
 
天然の明かりをともす夜
夏至と冬至の夜に、ろうそくの灯をともす
電気を消して、天然の火を灯しながら、夏至の夜を過ごしてみるのもいいものです
揺らいでは静かに燃え続ける炎を眺めていると、いつもより時間がゆっくり流れていくようです
 

初候

乃東枯る(なつかれくさかれる)
うつばぐさの花穂が黒ずんで枯れたように見えるころ
その花穂は生薬として、昔から洋の東西を問わず役立っていたとか…
新暦では、およそ6月21日〜25日ころ

 

【候のことば】

身近な薬草
うつばぐさにちなんで、薬草のこと。
まだ少し先ですが、夏にひりひり日焼けした首の後ろや腕などにアロエの葉をさいてひんやり冷たい葉肉をあてると延焼を鎮めてくれます。また、この時期はどくだみも頼れる薬草。使い方、効能も様々です。是非、調べてみてください。 


 

【旬の魚介】


塩焼きが夏の訪れを知らせる鮎
6月に鮎釣りが解禁され、まさに夏が旬。
川によって味が違うといわれ、きゅうりに似た独特の香りすることから、香魚ともいわれる。骨ごと食べられるので、カルシウムやリンなどの栄養も豊富。


 

【旬の果物】

夏みかん
代謝をよくして疲れをやわらげるクエン酸も、美肌やかぜ予防、老化を抑えるビタミンCもたっぷりと詰まっている夏みかん
香りがよいので、レモンの代わりにサラダにかけてもよいですね。


 

 

次候

菖蒲華さく(あやめはなさく)
菖蒲が花を咲かせるころ
この花が咲いたら、梅雨到来の目安でした
新暦では、およそ6月26日〜30日ごろ

 


 

【候のことば】

晴耕雨読
梅雨のさなかのこの時期は、気分も晴れません
雨の楽しみ方をいろいろと考えてみるのもよいものです
 


 
 

【旬の魚介】

かんぱち
脂がのっているかんぱちは刺身が一番
くせがなく、さっぱりしています
 


 
 

【旬の兆し】

青時雨(あおしぐれ)
初夏、あおあおとした木々の葉に降りたまった雨が、ぱたぱたと落ちてくることをいいます
ひんやりとした雨粒がさわやかなおどろきをくれるひととき
青嵐とは、新緑の上を吹くいきおいのある風のこと
 


 

【旬の行事】

夏越しの祓(なごしのはらえ)
6月と12月には、罪や穢れを落とす祓えの行事があり、6月の大祓を夏越しの祓、12月を年越しの祓と呼んでいます
夏越しの祓では、多くの神社に茅草でつくった輪が立てられ、茅の輪くぐりを行います
 


 


 
 

末候

半夏生ず(はんげしょうず)
半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころ
田植えを終わらせる「農事」の節目
新暦では、およそ7月1日~5日ころ
 


 

【候のことば】

祇園祭
京都の夏の風物詩、祇園早坂神社の祭礼
7月1日から1カ月も行われる長い祭り
平安京で疾病が流行った貞観11年(869年)に、無病息災を祈る儀式が行われたのが起源といわれている
最大の見せ場は、17日の山鉾巡行
鉾や長刀を立てた山鉾が四条烏丸から京の町をめぐる一大イベント!
 


 
 

【旬の魚介】

はも
 
関東では料理屋の魚の印象だが、関西では日々の食卓にあがるはも
梅雨入りから7月頃が脂ののる旬
祇園祭の間、旬が続くことから祭りはもと呼ばれることも
 


 

【旬の野菜】

おくら
夏のネバネバ野菜は元気のもと
おくらに含まれるネバネバ成分は、免疫力を高めたり、ストレスで弱ったおなかの調子を整えたりしてくれる
 


 
 

【旬の兆し】

半夏雨(はんげあめ)

夏至から数えて11日目がが半夏生
田植えを済ませた農家が休息をとる日
この半夏生に降る雨を「半夏雨」というが、この日の天気によって1年の豊作を占う習慣があったとか
田植えを終えた田んぼから天へ、田の神様が昇っていくのが半夏雨になったとも…
 


 
 
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食と暮らしの歳時記「芒種」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

芒種(6月5日〜6月20日頃)

 
芒種とは
稲や麦など穂の出る植物の種をまくころのこと。
稲の穂先にある針のような突起を芒という。
 
田植え
田を耕して水を張り、麦の収穫を終えたのもつかの間、ほっと一息つく前に、育てた苗を田植えする季節がやってくる。
田植え機が登場するまでは、数本ずつ束ねた苗をひとつひとつ手で植えていました。
田の神様に豊作を祈り、花笠姿の早乙女が田植えするならわしが今も続いている。

 

初候

蟷螂生ず(かまきりしょうず)
かまきりが生まれるころ。
新暦では、およそ6月5日〜9日ころ

 

【候のことば】

農事暦とかまきり
畑仕事の目安になる七十二候に、蟷螂が登場するのはなぜか…
稲や野菜には手をつけず、虫を捕まえてくれるからかも…
でもそれは人間の都合のよい捉え方、かまきりにはかまきりの生活がある
 
おれの こころも かまも
どきどきするほど
ひかってるぜ
   工藤直子「おれはかまきり」より


 

【旬の魚介】

あいなめ
江戸時代には、殿さまの魚だったあいなめ。
秋冬の産卵期前に、旨みがたっぷり詰まった夏が旬。


 

【旬の野菜】

らっきょう
平安時代に中国から伝わったというらっきょう。
旬は初夏〜夏。甘酢漬けや塩漬けなど保存食としても。


 

【旬の日】

稽古はじめ
昔から芸事の世界では、稽古はじめを六歳の六月六日にすると上手になるといわれています。指折り数えるとき、六はちょうど小指が立つので「子が立つ」のは縁起がいいとか。(知らんけど(笑))
 

 

次候

腐草蛍と為る()
蛍があかりをともし、飛び交うころ。
昔の人は腐った草が蛍に生まれ変わると信じたそう。
新暦では、およそ6月10日〜15日ごろ

 
候のことば

【蛍】

 
蛍といえば、きれいな水辺に住む、源氏ボタルや平家ボタルを思い浮かべるかもしれません。ですが、日本には40種以上の蛍がいて、しかも沖縄には、約20種の蛍が住んでいて、1年を通じて蛍に出会えるとか。
蛍の光は幻想的。同じ源氏ボタルでも、光って消える明滅の感覚が地方によって違うと言います。例えば、関西では2秒に1回。関東では4秒に1回。理由はわからないそうです。
 


 
 

【旬の魚介】

スルメイカ
 


 
 

【旬の野菜】

トマト
冬から初夏にとれる冬春トマトと、夏から秋にかけてとれる夏秋トマトがあります。初夏のトマトは味が濃く、この時期から夏にかけてトマトの美味しい旬の季節です。
 


 

【旬の日】

暑中見舞いの日
6月15日は初めて暑中見舞いはがきが発売された日だとか。
昭和25年、72年前。手書きの便りのうれしさ…ちょっと見直してみようかな。最近では年賀状も…手書きでなくなったからかでしょうかね。
 


 

【旬の行事】

田植えの祭
6月の田植え時期には全国各地で田の神様に豊作を祈る祭がおこなわれる
 


 
 

末候

梅子黄なり(うめのみきなり)
梅の実が熟して色づくころ
季節は梅雨へとうつりかわる
新暦では、およそ6月16日~20日ころ
 


 

【旬のことば】

暦の入梅
梅雨入りのことを栗花落(ついり)とも言うそうです
梅雨の季節に咲く花に、栗の花があります
しとしとと降る雨のなか、栗の花が咲き散ることからこの字をあてたとか
入梅とも言いますが、暦の上での入梅は、太陽の黄経が80度の達する日おされ、6月11日前後になります
 
梅雨の月があって白い花
       種田山頭火


 
 

【旬の果物】


 
梅雨の訪れとともに梅が実って旬を迎える
梅干し、梅酒、梅ジャム、梅味噌…
生では食さない方がよい梅の七変化
 


 

【旬の魚】

すずき
すすいだように身が白いからついた名前がすずきだとか
旬は6月~8月、夏の白身魚といえば、すずき
体が銀色に輝いているものを選ぶのがこつ
 


 
 

【旬の草花】

すいかずら

昔、花を口にくわえ、甘い蜜をすっていたことから、すいかずら(吸い葛)の名になったそう
咲きはじめは白、受粉すると黄色に
つぼみは金銀花という生薬になるが、白と黄色の花が入り混じるようすを金と銀の花と呼んだとか…
 


 
 
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