食と暮らしの歳時記『白露』

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

白露(9月8日〜9月22日頃)

 
白露とは、大気が冷えてきて露を結ぶころのこと
ようやく残暑が引いていき、本格的な秋が訪れる
 


 

初候

草露白し(くさのつゆしろし)
草に降りた露が白く光って見えるころ
朝夕の涼しさが、くっきりと際立ってくる
新暦では、およそ九月八日〜九月十二日ころ

 

【候のことば】

重陽の節句(ちょうようのせっく)
九月九日は重陽の節句。菊の節句で、長寿を祈る日
昔は旧暦で数えたので、ちょうど菊の花盛りだったが、新暦ではやや早い感じ
昔は収穫祭の意味合いの濃い行事で、栗の節句とも呼ばれ、栗ご飯などで祝い、感謝を捧げたともいわれる
 


 

【旬の魚介】

島鯵(しまあじ)
刺身も握りも絶品の島鯵
旬は夏から秋。伊豆諸島でよくとれていたことから、島の字がついたとも
また、黄色の縞があり縞鯵とも
食感がよく旨みがしっかりしている
 


 

【旬の草花】

秋の七草
萩、すすき、葛、なでしこ、おみなえし、藤袴、桔梗
いちどきに咲くのではなく、秋が深まりながら花開きていく七種の草花
秋の字が用いられる『萩』は秋の花としてなじみ深いもの
自生できる野山も少なくなり、絶滅の危機にある藤袴や桔梗
大切に繋ぎたいものです


 

 


 

次候

鶺鴒鳴く(せきれいなく)
鶺鴒が鳴きはじめるころ
イサナキとイナサミに男女の交わりを教えたことから、恋教え鳥とも呼ばれる
新暦では、およそ九月十三日〜九月十七日ごろ

 


 

【候のことば】

鶺鴒(せきれい)
チチィ、チチィと鳴く、尾の長い小鳥が鶺鴒の一種、白鶺鴒
鶺鴒は日本書紀にも登場するというからおどろき
尾を振るようすを男女の交わりに見立てたのが、イサナキとイサナミが契りを交わそうとしたとき、その仕方を教えたのが鶺鴒
小鳥の尾を振る動きで神様たちはピンときた?!
 


 
 

【旬の魚介】

あわび
会のご馳走食材、あわび
旬は八月~十月。日本で食べているのはクロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、マダカアワビ
あわびは巻貝の仲間。二枚あるはずの貝殻が片方ないから、合わぬ身、転じてあわびと名がついたとか。
 


 
 

【旬の果物】

梨(なし)
 


 
 

 
 

末候

玄鳥去る(つばめさる)
つばめが南に帰るころ
春先に訪れた渡り鳥と、しばしの別れ
新暦では、およそ九月十八日~九月二十二日ころ
 
 

【候のことば】

鶏頭(けいとう)
花の名、雄鶏の鶏冠のような真っ赤な花を咲かせることから由来する


 

【候の魚介】

昆布(こんぶ)

 


 
 

 


 

【旬の野菜】

茄子(なす)
秋野菜としての楽しみの一つ
旬は7月~9月、夏にとれるから夏美(なつみ)と呼ばれ、なすび、なすとなったそう

 


 
 

 
 
 
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食と暮らしの歳時記「処暑」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

処暑(8月23日〜9月7日頃)

 
処暑とは、暑さが少しやわらぐころのこと
朝の風や夜の虫の声に、秋の気配が漂い出します
 
 

初候

綿柎開く(わたのはなしべひらく)
綿の実を包むがくが開くころ
種を包む綿毛をほぐし綿の糸を紡ぐ
新暦では、およそ八月二十三日〜八月二十八日ころ

 

【候のことば】

綿花(めんか)
麺の木は七月~八月に花を咲かせ、その後に蒴果(さくか)という実をつける
その実がはじけて、ひとつの実からいくつか現れる白い繊維がコットンボール、種を包んだふわふわの綿花
 


 

【旬の魚介】

かさご
とげだらけの見た目と裏腹に、かさごは上品な味わいの白身魚。
旬は夏。刺身でも焼いても煮ても美味。塩焼きの残り身に熱いお湯をかけて骨湯にしたり、アラで出汁をとって鍋物や味噌汁にしたり、一尾で二度も三度も楽しめる
 


 

【旬の果物】

すだち
酸味が強すぎず、さっぱりさわやかなすだち
旬は八月、九月。特産は徳島。鍋物によし、焼き魚によしの、食欲を誘う酸っぱさ。
疲労回復や風邪の予防にもひと役買う優れもの。
豚肉や鰯、さんまととくに好相性
すだちの優しい香りはポン酢にもピッタリ!


 

 


 

次候

天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
ようやく暑さが収まりはじめるころ
夏の気が落ち着き、万物があらたまる時期とされる
新暦では、およそ八月二十九日〜九月二日ごろ

 


 

【候のことば】

二百十日(にひゃくとおか)
二百十日は雑節のひとつ
立春から数えて二百十日目
台風がやってくるころ
 


 
 

【旬の魚介】

ぐち(シログチ)
白身でくせのないぐちは、刺身が極上
 


 
 

【旬の果物】

ぶどう
 


 
 

【旬の行事】

大曲の全国花火競技大会
毎年八月第四土曜日に、日本で最も大規模な花火大会が、秋田県大仙市の大曲で開かれる

 


 


 
 

末候

禾乃登る(こくものみのる)
田に稲が実り、穂をたらすころ
禾とは、稲や栗などの穀物のことをいう
新暦では、およそ九月三日~九月七日ころ
 
 

【候のことば】

禾(のぎ)
禾とは、稲などの穂先に生えている毛のこと
稲や麦、稗、粟などの穀物の総称
のぎとものげとも呼ばれ「禾」の字は、もともと穂をたらした稲の姿を描いた象形文字だったそう


 

【候の魚介】

鰯(いわし)
暑くなるにつれて脂がのり、美味しくなる鰯
旬は六月〜十月。新鮮なものを握りや刺身、なめろうでいただくと旬を感じる青魚。
また、寒い季節の鰯つみれ汁もおつなもの
 


 
 

 


 

【旬の果物】

無花果(いちじく)
江戸時代に入ってきたという無花果
初めは薬草だったそう
旬は八月終わりから十月にかけて
実の中に咲かせる白い花は、外からは見えず、花の無い果という名前になったとか
 


 
 

 


 

【旬の草花】

きんえのころ
ねこじゃらしの名前でしたしまれている「えのころぐさ」の一種
えのころとは子犬のしっぽのようだからついた名前
秋の日が金色の穂にあたり風に揺れる野が懐かしい
 


 
 
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食と暮らしの歳時記「立秋」

食と暮らしの歳時記


 
四季折々の旬の味覚と年中行事、心身の養生法などをご紹介します。

二十四節気・七十二候、日本に古くから受け継がれてきた月ごとのならわしや行事。それらを旬の食とともに暮らしに取り入れ、愉しむことで情緒豊かな心と健康な身体が育まれることを願います。。
 
家族や友人、ご近所さんとのちょっとしたご挨拶の中の話題などに、また季節を感じる食卓の彩りとなれば幸いです。

 
 

立秋(8月8日〜8月22日頃)

 
立秋とは、初めて秋の気配がほの見えるころのこと
暑い盛りだけれども、これからは夏の名残の「残暑」という
 
 

初候

涼風至る(りょうふういたる)
涼しい風が初めて立つころ
その風を秋の気配とみる
新暦では、およそ八月八日〜八月十二日ころ

 

【候のことば】

秋隣(あきとなり)
秋の気配をすぐそばに感じる、という意味の夏の季語「秋隣」
本来は立秋に入る前までのことばだが、八月の熱いさなかに時折吹く涼風こそ秋の気配かもしれません。
 


 

【旬の魚介】

しじみ
カルシウムや鉄分、ビタミンAやBなどの栄養価が高い
旬は八月ごろの土用しじみと、一〜二月の寒しじみ
 


 

【旬の果物】


八月の八日から十日は、八(は)九(く)十(とう)の語呂合わせで、白桃の日
桃は、七月〜九月が食べごろ。甘い果汁があふれとろけるような果肉
岡山の白桃が元祖だそう
ふっくら丸みがあり、全体にうぶ毛があるものを選ぶとよい
くれぐれも、実を押さないように(笑)


 

【旬の草花】

つゆくさ
瑠璃色をした小さな花
道ばたや畑のすみに咲いています
花の時期は七月〜九月。古くは、花の摺り布を染めたことから着き草と呼ばれたそう… 転じて、月草の名で歌に詠まれた花
 


 

次候

寒蝉なく(ひぐらしなく)
ひぐらしが鳴くころ
夕暮れに響く虫の声は、はかない夏の夢
新暦では、およそ八月十三日〜八月十七日ごろ

 


 

【候の虫】

ひぐらし
朝夕に鳴く声が涼を感じさせるひぐらし
俳句では、秋の季語
実際は六月の終わりごろから九月まで出会える蝉
 


 
 

【旬の草花】

ほおずき
お盆の花として飾られるほおずき
迎え火や送り火の提灯のよう、と見立てて供えられる
 


 
 

【旬の行事】

五山の送り火
 


 

 


 


 
 

末候

蒙霧升降す(のうむしょうこうす)
深い霧が立ち込めるころ
春は霞たち、秋は霧けぶる空模様
新暦では、およそ八月十八日~八月二十二日ころ
 


 

【候の魚介】

真だこ
一説によると
「た」は手、「こ」はたくさんという意味で「たこ」の名まえがついたとか…
 


 
 

【旬の野菜】

新しょうが
 


 

【旬の草花】

水引
上から見ると赤く、下から見ると白い花が、細長い花穂に点々といくつも咲いている
そのようすが祝儀の水引に見立てられて花の名まえになったとか
紅白の花が混じるのは「御所水引」
白い花だけのものは「銀水引」
 


 
 

 


 

【旬の兆し】

樹雨(きさめ)
 
濃い霧の林を歩いていると、木の葉から雨が落ちてくることがある
それが「樹雨」
葉や枝についた霧の粒が、しだいに大粒の滴になって地上へ落ちてくるもの


 
 
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